下水道設計業務

下水道設計は、地域の地形や人口、雨水量、排水量などの条件を総合的に考慮し、最適な排水経路や処理設備を計画・設計します。

下水道設計業務とは?

公共下水道は、生活や産業活動に伴う汚水や雨水を適切に管理し、地域住民の生活環境を守り、自然環境の保護に貢献する重要なインフラです。下水道設計は、地域の地形や人口、雨水量、排水量などの条件を総合的に考慮し、最適な排水経路や処理設備を計画・設計します。

公共下水道には、汚水と雨水を同じ管で流す「合流式下水道」と、汚水と雨水を別の管で流す「分流式下水道」があり、地域の特性や環境保護の観点から、適切なシステムを選定します。

現在、都市部においては下水道管の老朽化や排水量の増加に伴い再構築事業が主な事業となっております。地域のニーズや課題に即した公共インフラを支える重要な業務です。

下水道設計の流れ

1

受注

発注元(東京都や地方自治体)から正式に設計依頼を受け、業務内容や規模、期間についての条件確認を行います。入札等により落札し受注する。
2

打合せ

発注元と詳細な打合せを行い、計画概要、必要な設計内容及び条件、現場状況や重要事項を確認します。発注元の要望や予算に基づいた具体的な設計方針を策定します。
3

測量や現地調査

設計予定の下水道管エリアの測量を行い、地形の特徴や周囲の環境を把握します。また、現地調査で下水道の配置や高低差など、設計に必要なデータを収集します。
4

地下埋設物調査

地下には他の埋設物(水道管やガス管、電気ケーブルや電話ケーブル)がある可能性があるため、事前に調査を行い平面図にプロットします。他のインフラへの影響を避けて安全性を確保します。
5

工法検討

現場の状況や経済性を考慮し、工法の選定を行います。工法には「開削工法」と「推進工法」があり、開削工法は地上から直接掘削する方法で比較的浅い埋設に適し、推進工法は地面を掘削せずに地下を掘り進めるため、交通量の多い場所や深い埋設に適しています。各工法の施工性や経済性も総合的に検討します。
6

設計検討

調査結果を基に、管径や材質、配置を検討します。耐震性、耐久性、施工性も考慮し、最も効率的で安全な設計を目指します。環境負荷を抑えた施工が行えるように配慮も加えます。
7

各種計算

設計の根拠と安全性を固めるため、以下の各種計算を必要に応じて行います。
・流量計算:排水の流量を算出し、下水道管の管径や傾斜を適切に決定します。
・土留計算:施工時に土砂が崩れるのを防ぐための仮設構造物に対する計算で、工事現場の安全性を確保します。
・構造計算:下水道管やマンホールの強度を確認し、土圧や水圧、交通荷重などに耐えられる構造かを検証します。
8

設計図面作成

設計内容を基に、詳細な図面を作成します。これには平面詳細図や縦横断面図、構造図、参考図などが含まれ、施工時の設計図となります。
9

数量計算書作成

設計に基づき、使用する資材や工事に必要な土工量を算出し、数量計算書を作成します。これにより、発注先が正確な工事費を算出し経済性と効率性を高めます。
10

報告書作成

設計の概要や計算根拠、成果物をまとめた報告書を作成し、発注元が設計全てを把握できる資料とします。
11

照査

設計内容や計算の正確性を確認し、厳密なチェックを行います。照査は安全性の確保と品質向上のために欠かせない業務です。
12

納品

最終的な成果物である設計図や数量計算書、報告書を発注元に納品します。
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